ぴーからぶー

2023年4月にBDRに合流した生体模倣システム理研白眉研究チームのチームリーダー、萩原将也 博士に生体模倣システム理研白眉研究チームについて聞きました。

理研でチームを持つ前は、どこでどのような研究をしていましたか?

もともと生物よりメカをいじる方が好きで、工学の中でも機械工学をバックグラウンドに、自動車会社でトランスミッションを作ったり、博士課程ではマイクロロボットの開発をしたりしていました。ポスドクのUCLAでも、新原理のマイクロ流体チップの開発をしたりと、研究としては人工物を相手にしていることの方が多かったです。その後、そういったモノづくりの技術を細胞培養に活用することで、いろいろとおもしろいことが見えてくることに気づき、大阪府立大学(現大阪公立大学)にて独立研究室をもち、マイクロ加工技術などを使って細胞が再現性高く行動する場を構築し、細胞がもつルールを明らかにしようと研究していました。細胞培養自体大して行ったことがなかったので失敗ばかりでしたが、誰からのバイアスもなく、王道を知らずに自分がおもしろいと思った方向に突き進めたおかげで、ユニークな発想や技術を展開する基盤ができたと思っています。

理研ではどのような研究を目指していますか?

からだの外で細胞から臓器を形成するための技術を確立することを目指しています。現在の細胞培養はピペット操作をベースとし、非常にシンプルな場の中で細胞の自律形成に任せて作られていますが、実際のからだの中においては様々な要因が複合的に絡み合いながらもいつも同じ形態へと発達していきます。この臓器形成における複雑な場を再構築し、細胞から臓器へと形成する過程を制御する技術を確立することが私にとって大きな目標です。例えば、家を作る際に環境や用途に応じて様々な工法があるように、臓器ごとに適した設計や工法を確立して場を作りこむことで、細胞を本来の形態・機能へとうまく誘導するための技術を構築していけるようにしたいと思っています。

チームはどのようなメンバーで構成されていますか?

2019年に理研に入って以来、マレーシア、タイ、ベトナム、ミャンマーなど東南アジア系の方がほとんどで構成されています。最近ようやく日本人が入りましたが、基本的にはラボ内は英語でコミュニケーションを取り、ランチの際にはバラエティあるお弁当を各々が作って楽しくやっています。工学側からうちのチームに加わる人もいれば、生物側から入ってくる人もおり、お互いの不足分を補いあいながら研究を進めています。

チームの特徴を教えて下さい。

工学ならではのモノづくりの発想で、培養実験にある固定観念に囚われることなく新しい手法を提案していけるのが大きな強みです。実験においても、ないものは自分たちで作ることができるので、フットワークが軽く、様々な思いつきを試して形にしていくことができるのがいいところですかね。ただ、すごい技術だけど使い勝手が悪いといったような、工学の独りよがりの技術にはならないように、最終的に求められるものが何かを常に問いながら、新しいものを作っていこうとしています。

最近ハマっていることを教えて下さい。

自転車。神戸大橋からの夜景がきれいです。
バイブル:深夜特急

神戸に着任して、驚いたことはありますか?

レストランがどこも大体美味しい。

今後どんな方にチームに加わって欲しいですか?

Passionがある人がいいですね。得意・不得意の前に、自分がやっていることをおもしろいと思ってやっている人は、話をしていてこちらも楽しくなってきますし、やりがいが周りに伝播するということはあると思っていますので。自分が何もできない分野にどんどん飛び込んでいったこともあるからか、何ができるか以上に何故したいか、の方が気になったりします。