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2020年4月に横浜地区に核磁気共鳴法(NMR: Nuclear Magnetic Resonance)を用いて、生体分子の立体構造情報から生体内での機能への理解を目指す、構造生物学研究に取り組む「生体分子動的構造研究チーム(チームリーダー:嶋田一夫)」が新設されました。今回は、この研究室について紹介します。

研究室の主な研究テーマは何ですか?

独自に開発したNMR解析法を駆使して、生理的状態に近い生体分子の構造解析を行っています。特に、生命現象の多くの場面で重要な役割を担い、創薬の重要な標的でもある膜タンパク質(例: Gタンパク質共役型受容体)や関連タンパク質が機能しているところの動的状態を観測し、得た動的構造情報を解析しています。
また、新規プロジェクトとして、RNA標的創薬基盤技術開発を開始しました。ここでは高分子量RNAの立体構造の解析も可能になるNMR技術を確立していきます。これは、2019年より構想を練ってきて、最近スタートさせたプロジェクトです。

研究室のメンバーはどのような構成ですか?

研究室にチームリーダー、上級研究員、研究員とテクニカルスタッフがそれぞれ1名と大学院生(研修生)が4名、合計8名で研究に取り組んでいます。

研究でこだわっている点はありますか?

NMRの特徴をいかした独自性の高い研究を行うことにこだわっています。

この一年、新型コロナウイルス感染拡大による研究への影響はありましたか?

新型コロナウイルスが日本でも流行しはじめたころは、ちょうど研究室を立ち上げる時期と重なりました。アシスタントの方がうまく必要なものを発注と手配していただいたため、一回目の緊急事態宣言が発令された時はそれらが届くのを待っているころでした。そのため、幸いなことで、研究自体にはそれほど大きな影響はなかったです。